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マンションの建て替えの進め方|立ち退き料に関する基礎知識

マンションの建て替えの進め方|立ち退き料に関する基礎知識

マンションが老朽化してくると、建て替えの必要性が生じてきます。建て替えの際には入居者に立ち退いていただかなければなりませんが、賃貸マンションの建て替えでは多くの場合、立ち退き料の支払いが必要となります。

スムーズに建て替えを実施するためには、綿密な計画を立てた上で、入居者と立ち退き料の問題も含めて丁寧に交渉することが重要です。

この記事では、マンションの建て替えを進めるに際して、立ち退き料を支払う必要性や金額の相場、さらには立ち退き交渉を行う上での注意点などについて、わかりやすく解説します。

具体的な立退きまでの流れ

具体的な立退きまでの流れ

マンションの建て替えを決定した後、入居者に立ち退いていただくまでの流れは以下のとおりです。

立ち退きの打診

まずは、入居者に対して建て替えをしなければならない理由(物件の老朽化による倒壊等の危険性や、耐震性の問題など)を伝えて、立ち退いていただきたい旨の打診をします。

分譲マンションの場合は、区分所有者(住民)および議決権の5分の4以上の賛成を得なければならないため、住民説明会を開催するのが一般的です。
これに対して賃貸マンションの場合は、各入居者との賃貸借契約を解除する必要があるため、個別に説明と交渉をすることも多いです。

なお、契約期間の定めがある場合には、借地借家法26条により、期間満了の6ヶ月前までに解約を申し入れる必要があることに注意しましょう。
入居者との交渉がスムーズに行くとは限りませんので、余裕を持ったスケジュールを組んでおくことが大切です。

また、建て替えの必要性があるとはいえ、入居者にとって立ち退きは重大な問題ですので、一方的に通告するような態度ではなく、入居者の意見も丁寧に聴き取り、交渉によって理解を得ていくという姿勢も重要となるでしょう。

代替物件の提案

建て替えの期間中、入居者は一時的に住む場所を失ってしまいますので、貸主側から代替物件を提案するのが一般的です。

自社で仮住まいを用意できる場合や、自社が所有する他の賃貸物件に空室がある場合は、そこへの入居を案内するとよいでしょう。
自社物件で適したものがない場合は、仲介業者(不動産会社)を紹介することも考えられます。

入居者の中には、「これを機に他の物件に引っ越します」(建て替え後の新物件には戻ってこない)という方も出てきます。
しかし、適切な仮住まい(代替物件)を提案することで、入居者の流出に歯止めをかけることが期待できます。

立ち退きにかかる費用の算出

賃貸マンションの建て替えに伴う立ち退きで、新物件に戻ってくる予定の入居者に対しては、一般的に以下の費用を支払う必要があります。

  • 仮住まいへの引っ越し費用
  • 仮住まいの賃貸借契約にかかる費用(仲介手数料、敷金・礼金の差額など)
  • 家賃の差額

これらの総額は物件によっても異なりますが、建て替え工事の期間に応じて大きく変わってきます。
立ち退き交渉を始める前に、古いマンションの解体から新しいマンションの設計・建築までの計画を綿密に立てた上で、立ち退き費用を算出しておくことが重要です。

立ち退き料の支払い必要性と費用の相場

お金と電卓

建て替え後の新物件に戻ってくる予定のない入居者に対しては、立ち退き料の支払いが問題となってきます。

以下で、立ち退き料の支払いの必要性や、支払う場合の相場について解説します。

立ち退き料の支払いの必要性

理論上は、借地借家法28条で定められている「正当の事由」があれば、立ち退き料の支払いが不要となるケースもありますが、実務上は多くのケースで立ち退き料が支払われています。

「正当の事由」に該当しうるケースとしては、以下のような場合が挙げられます。

  • 建物の老朽化や耐震性の問題により建て替えが必要となった
  • 貸主自身やその親族が土地を使用する必要性が生じた
  • 再開発のため建物の取り壊しが必要となった

しかし、立ち退きを余儀なくされる入居者は、生活環境が変化することによる精神的負担や、場合によっては営業上の損失も被ってしまいます。
そのため、実務上は上記の事由があることに加えて、貸主から一定の金銭的補償(立ち退き料)を提供することによって、「正当の事由」として認められるケースが大半です。

したがって、通常のケースでは立ち退き料の支払いが必要と考えられます。

例外的に立ち退き料の支払いが不要となるのは、以下のようなケースです。

  • 借主が重大な契約違反をした場合(家賃の長期滞納や迷惑行為の繰り返しなど)
  • 建物が著しく老朽化しており、倒壊などの重大な危険性が差し迫っている場合

立ち退き料の費用の相場

立ち退き料の費用の計算方法に明確な決まりはなく、入居者との交渉によって決めることになります。

したがって、具体的な金額は借主の意向次第ともいえますが、一般的には家賃の6ヶ月~1年分程度が目安とされています。
例えば、家賃が月10万円の物件であれば、立ち退き料として60万~120万円程度が相場といえます。

この幅の中で入居者の意見も考慮して交渉していくことになりますが、なるべく立ち退き料は均一の金額とすることが望ましいです。
入居者ごとに金額がまちまちとなり、大きな幅が生じてしまうと、不公平に感じた入居者から追加請求を受けるなどのトラブルが発生するおそれがあります。

立ち退き交渉を行ううえでの注意点

カレンダー

立ち退き交渉をスムーズに進めるためには、事前に以下の点に注意しておく必要があります。

立ち退き交渉を始めるスケジュールの確認

入居者との立ち退き交渉を始める前にも、以下のように、さまざまなことを決めておかなければなりません。

  1. 建て替えを実施するかどうかの検討
  2. 新しいマンションの設計
  3. 着工する時期の設定
  4. 建て替えにかかる費用の総額を見積もる
  5. 資金調達
  6. 設計業者や建築業者の選定
  7. 新規入居者の募集停止

一般的には、着工の1~2年前には全体的なスケジュールを策定する必要があるといわれています。

その後に、スケジュールに従って立ち退き交渉を進めていくことになりますが、交渉が長引くと着工が遅れてしまうことにもなりかねません。

したがって、建て替えの必要性を感じたら、なるべく早期に全体的なスケジュールを策定し、その中でも立ち退き交渉にかける期間には、ある程度の余裕を持たせておいた方がよいでしょう。

立ち退き料の設定

多くの場合、立ち退き交渉では、立ち退き料の金額がメインの交渉課題となります。
したがって、交渉前に、立ち退き料の金額を適切に設定することが重要です。

適切な金額は事案ごとに異なりますが、相場の幅における中央値を目安とするとよいでしょう。
例えば、相場が60万~120万円程度のケースでは、真ん中の90万円程度に設定するのです。

交渉ごとですので、最初は低額を設定した方がよいという考え方もありますが、交渉によって金額が大きく変わると、入居者間での不公平が生じやすくなります。
また、交渉が難航して調停などの法的手続きに発展すると、着工が大幅に遅れることにもなりかねません。

そのため、立ち退き料については初めから適切な金額を設定し、入居者との丁寧な交渉によって理解を得ていくようにした方がよいでしょう。

どうしても納得しない入居者がいる場合には、平行線のまま時間をかけず、弁護士を通じて交渉するのが得策です。

群馬で不動産立ち退きに関するご依頼は弁護士法人山本総合法律事務所へ

賃貸マンションの建て替えでは、通常、相場に沿った立ち退き料を入居者へ支払うことになります。

高額の立ち退き料を提示した方が交渉はまとまりやすくなりますが、不当に高い金額を支払う必要はありません。

とはいえ、不当に高額の立ち退き料を請求する入居者がいたり、立ち退きそのものに同意しない入居者がいたりして、交渉が難航することも少なくありません。
そんなときでも、弁護士に依頼して、冷静かつ論理的に交渉してもらえば、スムーズな解決が期待できます。

弁護士法人山本総合法律事務所は、立ち退き問題をはじめとして、群馬県内における不動産トラブルや賃貸経営に関する法的問題を数多く取り扱い、豊富な解決実績を有しております。

群馬でマンションの建て替えに伴う立ち退き料でお困りの際は、お気軽に当事務所へご相談ください。

 

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この記事を書いた人

山本 哲也

山本 哲也

弁護士法人 山本総合法律事務所の代表弁護士。群馬県高崎市出身。
早稲田大学法学部卒業後、一般企業に就職するも法曹界を目指すため脱サラして弁護士に。
「地元の総合病院としての法律事務所」を目指し、個人向けのリーガルサービスだけでなく県内の企業の利益最大化に向けたリーガルサポートの提供を行っている。

山本 哲也

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