2026/03/30

事業の運営に際して日々作成する契約書は、その取引における当事者双方の権利・義務の内容を定めるための、重要な法的文書です。
契約書の記載内容によっては、自社に思わぬ損失をもたらすおそれがあります。
こうしたリスクを回避するためには、契約書を取り交わす前に、法的な観点から記載内容に問題がないかを確認することが重要となります。
そのためには、弁護士によるリーガルチェックを受けることが有効です。
この記事では、契約書に関する基本的なことをご説明した上で、リーガルチェックの必要性や重要性、確認すべきポイントなどについて、企業法務の経験が豊富な弁護士がわかりやすく解説します。
目次

契約書とは、契約当事者間で合意した内容を文書として記録することで明確にするとともに、法的な効力を持たせるための書類です。
まずは、契約書に関する基本的なことをご説明します。
契約は基本的に口約束で成立しますが、契約書という文書を作成しておくことで、取引の円滑化やトラブルの防止につながり、さらには発生したトラブルの解決にも役立ちます。
具体的には、「誰が」「何を」「いつまでに」「どうするのか」や、費用の分担などを文書に記録することで、当事者双方の認識の相違を防止できます。
また、作成した契約書を取り交わし、双方が1通ずつを保管することで、約束が守られやすくなります。
もし、約束が守られない場合には、取引相手に対して「契約書の通りに実行してください」と、催促もしやすくなるでしょう。
万が一、取引相手とのトラブルが生じて裁判に発展した場合は、契約書が合意内容を証明する有力な証拠となります。
相手方が「話が違う」などと主張する場合は、相手方においてその主張内容を立証しない限り、契約書に記載された内容のとおりに合意したものとみなされるのです。
契約書の種類は多岐にわたりますが、ビジネスで取り扱うことが多いものの中から代表的なものを3種類だけ、例としてご紹介します。
売買契約書とは、物を売り買いするときに作成する契約書です。
商品を販売するときだけでなく、原材料の仕入れや機材の購入など、さまざまな売買の場面で作成が必要となります。
売買契約書では、目的物の種類・数量・単価・納品方法・引き渡し期限・検収方法・代金の支払期限・欠陥があった場合の対応方法などについて明確に記載しなければ、品質トラブルや未収金などのトラブルにつながりやすいです。
請負契約書とは、仕事の完成を約束する「請負人」と、その対価として報酬を支払う「注文者」との間で取り交わす契約書です。
建設業(建築、解体など)、IT業(システム開発、プログラム作成など)、製造業(部品製造など)、サービス業(清掃、警備など)で作成することが多いです。
請負契約書では、仕事の内容や成果物の仕様、納期、報酬の金額と支払期限、契約不履行や遅延が発生した場合の対応方法などについて明確に記載しなければ、品質トラブルや業務遅延、報酬不払いなどのトラブルにつながりやすいです。
業務委託契約書とは、社外の専門業者やフリーランスなどに業務を委託する場合に取り交わす契約書です。
Webサイト制作、マーケティング、バックオフィス業務やコールセンター業務、広報などの業務をアウトソーシングするときに作成することが多いです。
業務委託契約書では、仕事の内容や範囲、納期(契約期間)、報酬の金額と支払期限、業務遂行の条件、条件が守られないときの対応方法などについて明確に記載しなければ、期待した成果が得られない問題や報酬の不払いなどのトラブルにつながりやすいです。
トラブルの発生を回避するために、知的財産の取り扱いや再委託の可否、秘密保持義務などについて記載すべきケースも多いです。

契約書は専門家でなければ作成できないものではありませんが、リーガルチェックを受けていないと、以下のようなトラブルを招くリスクがあります。
契約書に記載すべき項目が不足していたり、記載内容が誤っていたりするケースは数多く見受けられます。
例えば、売買契約書で目的物の種類・数量・単価が記載されていても、納期や納品方法、代金の支払期限などが曖昧になっていると、取引がスムーズに進まなくなるおそれがあるでしょう。
請負契約書でも、仕事の内容が曖昧になっていると、想定とは異なる成果物が完成するおそれがあります。
業務委託契約書では、契約期間や更新の条件・方法などが不明確であれば、意図に反して契約が長期化したり、逆に、十分な成果が得られていないのに契約を打ち切られたりするかもしれません。
契約書の記載項目に不備があると、自社の不利益につながる可能性が高いことに注意が必要です。
例えば、契約書の中に複数の意味に解釈できる文言が記載されている場合、相手方に有利な解釈を主張され、自社が不利益を被ることがあります。
具体例としては、機材を購入した際の売買契約書に「納入後、速やかに本件製品の検査を実施し、その結果を通知する」と記載した場合、いつまでに検査結果を通知すればよいのかについては複数の解釈が可能です。
買主である自社としては検査に1週間は要すると考えていても、売主である相手方は3日以内に通知がなければ検査に合格したものとみなす、と考える可能性があるでしょう。
この場合、納入から7日後に欠陥が発覚したとしても、売買代金の全額を請求されるおそれがあります。
このようなトラブルを避けるためには、「納入後7日以内」などと、具体的に特定できる期限を設定し、契約書に明記すべきです。
契約書の不備がトラブルに発展すると、会社に経済的損害が生じるとともに、顧客との信頼関係にも悪影響が及ぶことが多いです。
例えば、損害賠償の範囲や上限が明確に記載されていなければ、軽微な契約違反でも相手方に生じたすべての損害を青天井で賠償しなければならなくなる可能性があります。
損害賠償責任の問題だけでなく、納期遅延や品質トラブルによる取引停止、従業員の追加作業を要したことによる人件費の増大などによって、多大な経済的損失が生じることもあるでしょう。
契約解除となれば、ビジネス上の機会損失となるだけでなく、それまでに要したコストが無駄になってしまいます。
トラブルの相手方となった顧客や取引先からの信頼を失うのはもちろんのこと、不備の多い契約書の作成を繰り返していると、それだけでも顧客や取引先から企業としての信頼性を疑われることにもなりかねません。

契約書に不備があると重大な法的リスクを負ってしまいかねないため、事前にリーガルチェックを受けておくことが重要です。
ここでは、契約書のリーガルチェックの重要性と、チェック時に確認すべきポイントを具体的に解説します。
相手方と契約書を取り交わす前にリーガルチェックを受けておくことで、これまでにご紹介したリスクの未然防止に役立ちます。
特に、弁護士によるリーガルチェックを利用すれば、その契約から生じうるトラブルを見通し、解決方法までを視野に入れて、リスクヘッジを図ることが可能です。
具体的には、弁護士から以下のような指摘やアドバイスを受けることができます。
リーガルチェックというひと手間をかけることで、契約上の法的リスクが大きく軽減されますので、安心して取引をすることが可能となり、事業運営の円滑化に役立つことでしょう。
契約書に記載すべき条項は契約内容に応じて異なりますが、一般的に最低限含めるべき項目として以下のものが挙げられます。
インターネットなどで紹介されている「契約書のひな形」をそのまま流用すると、項目の過不足が生じがちです。
しかし、リーガルチェックを受けることで、必要十分な事項が漏れなく記載された契約書を作成することが可能となります。
最後に、契約書をチェックする際に確認すべきポイントを掲げておきます。弁護士によるリーガルチェックを利用する場合でも、社内で一度、以下のポイントを確認しておくと、よりスムーズに契約書を作成できるようになります。
社内でチェックする際には、分からないところがあっても構いません。
分からないところをリストアップしておき、弁護士にリーガルチェックを依頼する際に質問することで、より精度の高いリーガルチェックを受けることが可能となるでしょう。

契約書は文言一つで意味が変わり、会社の利益に重大な影響を及ぼすことがあるため、リーガルチェックを受けておくことは非常に重要です。
リーガルチェックを社内で行うことも可能ですが、法律用語を正しく用いたり、生じうるトラブルを見通してリスクヘッジを図ったり、最新の法改正や判例にも対応した契約書を作成するためには、弁護士によるリーガルチェックのご利用をおすすめします。
弁護士法人山本総合法律事務所は、群馬県内で企業法務の経験を豊富に有しており、その中でもリーガルチェックは日常的業務として、丁寧かつスピーディーに対応しております。
顧問弁護士のご契約をしていただければ、よりスムーズなリーガルチェックの提供が可能となります。
群馬の企業経営者や契約書作成の担当者の方々で、リーガルチェックが気になる方は、お気軽に当事務所へご相談ください。
当事務所では経営者様に向けた法的サポートを行っております。
経営者様からのご相談につきましては、初回に限り無料で対応しておりますので、
企業経営でお困りの方は、まずはぜひ一度お気軽にご相談ください。
Comment
この記事を書いた人
山本 哲也
弁護士法人 山本総合法律事務所の代表弁護士。群馬県高崎市出身。
早稲田大学法学部卒業後、一般企業に就職するも法曹界を目指すため脱サラして弁護士に。
「地元の総合病院としての法律事務所」を目指し、個人向けのリーガルサービスだけでなく県内の企業の利益最大化に向けたリーガルサポートの提供を行っている。